「 鍼灸」記事一覧

【重要】緊急事態宣言に伴う営業時間等の変更のお知らせ 2020
04/8

 2020年4月7日(火)、新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言が発令され、5月4日(月)には、期間を延長する通達がなされました。

 宣言内容を吟味の上、ぬくまる屋では、お客様の健康維持のために、継続的な鍼灸や指圧マッサージの施術の提供は必要と判断し、衛生管理に細心の注意を払った上で、営業を継続させていただいております(5月5日現在)


ただし、接触人数を極力減らすことで感染機会を減らすという宣言意図に沿って、宣言期間中は以下の通り営業内容を変更いたします。


①営業時間の変更

平日、土・日・祝の全日、10:00〜19:00の営業になります(19:00ラストオーダー)。水曜日定休は通常通りとなります。

②完全予約制への変更


 お客様をお迎えする時間以外は、入り口を施錠、もしくはシャッターをおろしています。

そのため、当店のお試しコースは当分の間休止します。

 予約なしでのご来店はお控えいただきますよう、お願い申し上げます。ご予約されたお客様も、早めにご来店くださっても施錠されている場合があります。なるべくご予約時間ジャストにご来店くださるようお願い申し上げます。


③割引券の期限の延長


 2020年3月末、もしくは4月末までの有効期限の割引券をお持ちの方は、そのまま保管しておいてください。宣言期間終了後のご来店でも無期限でご利用いただけます。


④新規お客様の制限

 利用人数を控える都合上、ご新規のお客様のお引き受けは極力控えさせていただきます。

そのため、期間中はご新規様限定特別セットメニューのご提供を休止させていただきます。

ただし急な腰痛など、鍼灸やマッサージ施術が必要と感じた場合は、お電話にて(048−494−6374)ご相談ください。

⑤臨時休業の可能性

近隣区域の感染の急な拡大や、管轄の保健所の指導により、急に営業を停止する場合もあります。Twitterにて当日の営業、予約状況は随時更新していますので、ご確認ください(Twitterアカウントをお持ちでない方も、以下のリンクから閲覧いただけます)。↓

https://mobile.twitter.com/nukumaruya

 以上、いろいろご不便をおかけして申し訳ありませんが、ご承知の上、ご予約をいただけると幸いです。よろしくお願いします。


西川口・蕨 はり灸指圧治療 ぬくまる屋

店主 あいざわゆきこ

関連リンク

【NEWS】新型コロナウイルス感染症対策について(2022年10月改訂) 2020
03/29

【ぬくまる屋の感染症対策】
2022年10月、感染者数が下火になってきたものの、埼玉県下では500〜1000台の数字を行ったり来たり。予断を許さない状況がまだまだ続いています。

ぬくまる屋は通常から、ご予約があれば、お客様ごとに店ごと貸し切りにする営業形態です。


 現段階では、感染防止に注意を払った上で営業を続けますが、情勢を鑑みて感染拡大抑止が難しいと判断した場合や、施術者自身が感染の疑いが濃厚になった場合、保健所の指示などにより、休業させていただくこともあります。あらかじめご了承くださいませ。

営業状況は毎朝公式Twitterにてお知らせしております。ご予約をされている日の朝は念の為Twitterをご確認ください。↓
はり灸指圧治療ぬくまる屋公式Twitter

以下は、ぬくまる屋で行っている感染防止対策です(2022年10月現在)

1.来店時にアルコールジェルでの手指消毒、もしくは洗面所での石鹸を使っての手洗いを、全てのお客様にお願いしています。洗面所には、使い捨ての手拭きタオルをご用意しております。

2.施術室の窓を15センチ、バックヤードの窓も約10センチ開けて、常に換気を行っております。

同時に空調もフル稼働させていますが、外気温に室内の気温がどうしても左右されてしまいます。

3.枕、ゴミ箱、スリッパ、棚などは入れ替え毎にアルコール入り除菌シートで清拭しています。タオル、施術着も交換しています。

4.施術者はお客様のお出迎えから施術中、お見送りまで、常にマスクをしています。また、お客様の施術に入る前と入ったあとに、20秒以上かけて石鹸で手を洗っております。

5.2022年10月18日に、ぬくまる屋施術者は、コロナワクチン接種4回目を完了しています。

6.埼玉県下で1日あたり1000人以上の新規感染者数が出る間、店主自身の定期PCR検査受検をします。もし、PCR検査で陽性反応が出た場合は、直ちに営業を停止いたします。

7.施術者は毎日起床後に体温を測り、微熱を伴う咳や味覚障害などの症状が出た場合、直ちに営業を停止します。

 以上をご確認の上、ご来店くださると幸いです。よろしくお願いします。

西川口•蕨鍼灸指圧マッサージ アロママッサージ

はり灸指圧治療ぬくまる屋

店主 あいざわゆきこ

【news】2020年3月10日(火)エキテン経由ネット予約メンテナンスのお知らせ 2020
03/7

2020年3月10日(火曜)0:00より、『口コミサイト エキテン』ぬくまる屋のネット予約システムがリニューアルされます。

今回の変更に伴い、大規模なシステムメンテナンスが実施されるため、以下の時間、エキテン経由ネット予約ができなくなります。ご注意ください。

*エキテン予約使用不可期間*

2020年3月10日(火)0:00~8:00ごろまで

またシステムリニューアル以降、エキテンの予約画面を直接ブックマークされている方は、一部予約画面に入れなくなる可能性があります。

もし、エラーが出た場合は以下のボタンから、改めてリニューアルされたシステムの方にお入りください。

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

西川口 蕨 鍼灸指圧マッサージ アロママッサージ

はり灸指圧治療ぬくまる屋 

店主 あいざわゆきこ

【NEWS】今年も川口まちゼミ参加します 2020
01/27

この前令和初のお正月を迎えたと思ったら、もう1月も終わり。

今年も高速で時が過ぎていきますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、蕨と西川口の間にある小さなはり灸指圧屋、ぬくまる屋では、今年もちゃっかり第7回川口まちゼミに講座参加いたします。(お店の住所は蕨市なのに、毎年快く参加を認めてくださる運営の皆様に感謝!)

今年の講座のお題は『温かいお灸と刺さない鍼』。

講座参加も今年で3年目。マンネリもアレかな……と思い、いままではお灸のみを扱ってきたのですが、今年は『てい鍼』『小児鍼』と呼ばれる、体に刺さない鍼の紹介も加えてみました。

おうちでも気軽に使える道具を使って手当てをしよう!というのがコンセプトなので、刺さない鍼はどこのおうちでもある金属製スプーンをつかって実演します。

他にも例年どおり、ドラッグストアで売ってる台座灸や、ホット専用ペットボトルのお茶を使って、気軽に体の不調に対処する方法を実演していく予定です。開催日程は以下の通り。

2020年2月11日(火祝)10:00〜11:30

2020年2月18日(火)13:00〜14:30

2020年2月23日(日)10:00〜11:30

申し込みなど詳しくは、こちらの川口まちゼミのHPAにあるPDFチラシをご覧ください(ぬくまる屋は西川口エリア53番です)↓。

https://kawaguchizemi.jimdofree.com/

他にも魅力的な講座が満載です(^^)。ぜひ楽しんでください。

※ごめんなさい!ぬくまる屋の開催講座は満席になっています。ただいまキャンセル待ちの受付のみお受けしておりますので、ご了承くださいませ。

西川口 蕨 はり灸指圧マッサージ アロママッサージ

はり灸指圧治療ぬくまる屋

店主 あいざわゆきこ

【NEWS】某猫型ロボット福引祭り開催中 2019
12/12

2019年ももうすぐ終わり。本年はご愛顧いただきありがとうございました。

さて、はり灸指圧治療ぬくまる屋では、感謝の気持ちを込めて、恒例となりました福引祭りを開催しております。

豪華(?)賞品は以下の通りになります。

1等 その場で施術料金から1000円引き(お試しコースご利用の場合は200円引き)

2等 次回つかえるじゃんけんクーポン(お会計時にじゃんけんして、店主が勝ったら500円引き、お客様が勝ったら1000円引き)

3等 ぬくまる屋お茶セット(ハーブティーバック2個、お菓子2個)

4等 次回使える脚のオイルマッサージクーポン(膝から下のオイルマッサージ オプションで495円相当)

5等 かわいいポケットティッシュ

期間中は何回ご来店くださっても、毎回くじを引くことができます。

そして、今回の福引プレゼンターは国民的人気キャラクターであるこのお方です!↓

どうぞ、ふるってご参加くださいませ(^^)

ご来店お待ちしています。

西川口 蕨 鍼灸指圧マッサージ アロママッサージ

はり灸指圧治療 ぬくまる屋

店主あいざわゆきこ

※2019年12月31日(火)〜2020年1月2日(木)、1月23日(木)は、お休みを頂戴します。 2020年1月3日(金)は10:00〜19:00の営業になります。よろしくお願いいたします。

【健康コラム】インフルエンザと麻黄湯と私 その2 2019
12/9


〜前回までのあらすじ〜
 時は遡ること1年前。家人が突然インフルエンザを発症し、倒れてしまった!熱を出した状態の家人と寝起きを共にしていたので、私も確実にインフルエンザウイルスに侵されているに違いないと、発症の恐怖に震えるぬくまる屋店主あいざわ。
 そこに、インフルエンザに効くと言われる漢方薬『麻黄湯(まおうとう)』が颯爽と現れた!
 タイムリミットはあとわずか。麻黄湯にすがるあいざわにインフルエンザ発症回避の道はあるのか……!?

前回のコラムはこちら


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 というわけで、家人が発熱してから約30時間あまりが経過。

 私の喉の痛みも徐々に強くなり、肩甲骨の間に現れた肩こりも着々と勢力を拡大。ついに肘や腰まで鈍い痛みが出てくるようになりました。くう……これは一刻を争う事態。


 幸いなことにその日は夜間の予約はなかったので、1時間ほど店を早じまいに。近所のドラッグストアで、『麻黄湯エキス顆粒』10包入を手に入れたのでした。

 帰宅したのは夜の9時。家に帰って、食事をいただく前にさっそく麻黄湯1包をお湯に溶かしていただきます。

(^^)ここでちょこっと豆知識(^^)
 おしりに『湯(とう)』の字がついている名前の漢方薬は、お湯に溶かして飲んだ方がよく効くと言われています。
 いやー、イヤな匂いが湯気で立ち上って飲みにくいでしょ?と思われるかもしれませんが、そんなに匂いもなく、粉にむせることもないので、かえって飲みやすいです。
 また、麻黄湯にはカンゾウもはいっているので(甘茶の成分ですね^^)、ほんのり甘くて、苦味もそこまできつくありません。その漢方薬が今の体調に合ったものだと、むしろ美味しく感じるといいます。

 結果……うん、そこそこ美味しい。これはイケるかも。仕事後にほっと一息ティーブレイク。いいねえ……。

 なんて落ち着いてる場合じゃなかった!冷凍ご飯を鍋にぶちこんで、ちゃっちゃとおじやを作ると、別室で寝ていた家人を起こして(←診療所から帰ってきてすぐに自分で布団移動させてました。えらい)、一緒におじやで夕飯終了。
 ちゃっちゃと家人を布団に押し込んで、片付けて、お風呂入って、歯を磨いて11時までには私自身も布団に潜りこむことに成功。

 そう、薬だけではインフルエンザは予防できません。まず基本のうがい、手洗い、マスク、栄養、そして睡眠の5点セットは必須。最低限、睡眠時間だけでも確保しないと。11時に寝られれば、7,8時間は睡眠が確保できます。

 こんなのでは予防にならない、という人もいますが、組み合わせることで感染のリスクは確実に下がります

 要は確率の問題。100%はありえません。

 予防接種も同じこと。
 今回の家人のように、予防接種をしていたのにインフルエンザに罹ってしまったので、インフルエンザ予防接種なんか意味ないよ、という人もいるでしょう。
 でも、私のように毎年インフルエンザ予防接種をうつようになってから、罹ったことがないという人だって大勢います。

100%回避はありえない。でも、罹患確率は下げる。

 その観点で、自分の体力や状況に応じた予防策を立ててほしいなと考えています。

 それでも不幸にして罹ってしまったら、とにかく水分をたくさん摂って、もらった薬をちゃんと服用して、布団から離れない。
 家人は午前中に処方されたゾフルーザを服用していましたが、その晩には早くも体温が37度台まで下がっていました。
 タミフルなどはたしか5日間服用しないといけませんでしたが、最近のインフルエンザ治療薬って1回飲むだけでOKなんですって。すごいなー。うちみたいなめんどくさがり屋さんにとっては、ありがたいことです(※追記※ゾフルーザに関して、最近では耐性ウイルスが早くも出てきたということで、いろいろ騒ぎになってますが、どんな抗菌薬や抗ウイルス薬にも、必ずといっていいほど発生する問題です。要は乱用はダメという教訓だと思います)


 さて、話を本題に戻します。翌朝。6時半に目覚めた私。
 起きてそっと腰を布団の中で動かしてみます。……うん、痛みはない。喉と肩、肘の痛みはまだ残っていますが、頭痛などもなく。
 恐る恐る布団から出て、しばらく部屋の中をウロウロしてもだるい感じはでてこない。

……これはイケそう!

 コーヒーの代わりに、麻黄湯をお湯に溶かして朝のティーブレイク。喉の痛みは乾燥によるものだったらしく、喉がうるおってきたら大分楽になってきました。


 麻黄湯は食前または食間に一日3回服用が目安とのこと。
 朝ごはんをいただいてから、出勤。

 お昼ごはんの前にやはり麻黄湯をお茶代わりに1包。

 動いていたら、どんどん背中の痛みもなくなり、なんか体も以前より軽く超快調です。あら?あら?これはどうしたことかしら?頭もなんかすっきりして、苦手な事務仕事もはかどります。これはすごい!!

 夜にはすっかり体中の痛みがなくなり、喉の痛みも消えました。むしろ普段より快調かも。なにしろ体が軽いし、動ける動ける♬どうやらインフルエンザも完全回避できた……かな?

 もしかして、この冬ずーっと麻黄湯を飲み続ければ、インフルエンザも予防できるし、体も軽いし、一石二鳥じゃん?

…………なんて野望を抱いた時期が私にもありました。

その日もちゃんと7時間睡眠をキープ。翌日も麻黄湯を1日3回飲んで、布団に入ろうとしました

……が、なにかちょっと違和感。

変に心臓がドキドキしてます。脈もひどく力強く打っています。

 んー?まあ、寒いからこんなこともあるかな?とたいして気にも留めず、そのまま床につきました。

〜そして、草木も眠る丑三つ時〜

 唐突に目が覚めました。それこそマンガなら『カッ!』と擬音がつくくらい、パッチリと。え?え?ナニコレ?体は昼間の仕事で疲れて眠りたがっているのに、頭の中が変に覚めてて眠れない!!

 頭がひどく興奮していて、そのまま部屋の中をゴリラのようにウロウロしまくる私。しかし、全く眠たくなる気配はなく。白湯を飲んでも駄目。ああ、どうしよう。

 そうだ、こんなときには読み慣れた本を読むと眠くなるかも!昔から読みつけてるマンガを読むんだ!
 本棚から、目についた『BANANAFISH』1巻を手に取ると(昔から20回以上読み返している愛読マンガです^_^;)布団に持ち込んで読み始めました。
 が、マンガのセレクトを間違えました……久々に読むと超面白い!うっかりあともう1巻、あともう1巻と読み進め、気がついたら全19巻を読み終え、時刻は朝の6時……orz

 馬鹿ですか……私は馬鹿ですか。

 これは何事なんだろう?いくらなんでもおかしい。朝の麻黄湯をいただくのは一旦中止して、薬剤師をやっていた母に電話でお問い合わせ。こういうとき、身内に薬剤師いると便利です(^_^;)

私「ねー、急に眠れなくなっちゃったんだけど」
母「何よ、コーヒーでも飲みすぎた?」
私「いや、麻黄湯をこの2日間飲み続けただけなんだけど」
母「なんだ、あたりまえよ。麻黄湯ってエフェドリン入ってるんだから」
私「え?えふぇどりん?何それ?」
母「小さいころ喘息発作起こしたとき、気管支拡張剤使ってたでしょ?あの成分と同じ。あのときもあなたよく、夜中に布団から飛び出して異常興奮して猿みたいにきゃあきゃあ叫んでたよ。あなた薬すごい効きやすかったもんねー」

ま じ で す か ?

お母さん、娘のことを猿って…てか、エフェドリンって何?ググってみると、こんな記述が。
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エフェドリン(英: ephedrine)は、充血除去薬(特に気管支拡張剤)、または局部麻酔時の低血圧に対処するために使われる交感神経興奮剤で、漢方医学で生薬として用いられる裸子植物のマオウ(麻黄)Ephedra sinica Stapf に由来するアルカロイドである。(Wikipediaより引用)
———————————————-
交感神経興奮剤……!確かに喘息の薬は、交感神経を興奮させることは知っていましたが(気道は交感神経優位で広がり、副交感神経優位で狭くなります)、まさかそれが、漢方の麻黄由来のものだったとは……!

 そうか、やたら身体が軽くて動ける‥と思ったのは、交感神経興奮のせいだったのか(>_<)

えー?漢方薬って長期間飲んでも大丈夫なものじゃないの?と思っていたらとんでもない!

なんでも、漢方薬もおおきく以下の3種類に分かれるそうで。

上品(じょうほん)→作用が穏やかで、長期間飲み続けて体質改善を図ることができる。健康食品的な使い方が可能。
中品(ちゅうほん)→少量であれば、おだやかな作用で病を水際で食い止めることができる。
下品(げぼん)→発症後にもよく効くが、西洋薬と同じで副作用もおきやすい。量や飲む期間には注意が必要。

 麻黄湯は、中品(ちゅうほん)に属するそうですが、いやはやなかなかの過激な作用。

 また、漢方薬はおおざっぱに『体力が充実した人向け』、『体力が中程度の人向け』、『体力がない人向け』にも分けられ、麻黄湯は実は『体力が充実している人向け』のお薬。どうやら体力がいまいちの私には強すぎるお薬だったようです…。

 よく効くからとダラダラ薬を飲み続けると痛い目に遭うという好例を、我が身をもって証明してしまったのでした(T . T)とほほ。


 ところで最近は、抗インフルエンザウイルス薬であるタミフル、リレンザ、イナビルにもきちんと予防効果が認められ、家族内で感染者が出た場合、病院でもお願いすれば、同居の家族にも予防処置で処方してもらえるケースもあるようです(ただしあくまでも予防のため、健康保険は効きません)。↓
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/flu/topics/201401/534710.html

 ただ、これらのお薬はインフルエンザウイルスに対抗する強力なものなので、こどもや他に薬を飲んでいる方など、頼んでも止められることもあります。

やはり、漢方であれ、西洋薬であれ、本来は症状が出てから飲むと規定されている薬を、予防処置でむやみやたらに飲むのはいかんのですね‥。

とりあえず、今回の麻黄湯使用で得た教訓。

これは間違いなくインフルの潜伏期だ!という時に緊急避難的に使うのはあり!でも、節々の痛みが消えたらさっさと飲むのをやめるべき!というとこでしょうか?色々勉強になりました。あ、それから、別の基礎疾患があったりして、体力ヒョロヒョロの人は自己判断で飲むのはやめてね!

(これは個人の体験です。読んで実際に使うかどうかはご自身の判断でお願いします)

閑話休題、今回の騒動の中心になった家人といえば。

 予防接種を打っていたせいか、頭痛などの症状もそんなに辛くなかったらしく。熱も下がった後の出社禁止の5日間、暇を持て余しまくり。
 YouTubeで何故かこんこんと怪談話のチャンネルを探して視聴しまくり、仕事から帰って来て部屋を覗いた私をとっ捕まえては、こんこんとその日仕入れた怪談の内容を聞かせてくれたのでした。
 いや、なんで別の部屋で寝てる時に限ってそういうことするかなー(−_−#)怖いやん…‥。

※このコラムは2019年1月に、しんきゅうコンパスに掲載したものに加筆修正いたしました。

川口 西川口 蕨鍼灸指圧マッサージ アロママッサージ

はり灸指圧治療 ぬくまる屋 店主あいざわゆきこ 


【注意!】※漢方薬も「薬」です。普段から常用している薬がある場合、購入するまえに薬局の薬剤師さんにご相談の上、自己責任でご使用ください。
特に『麻黄湯』の場合、向精神薬や、喘息の発作を抑える薬などを使用されている方は、成分が重複する可能性があります。飲む前に必ずかかりつけのお医者様にご相談くださいね。

【健康コラム】インフルエンザと麻黄湯と私 その1 2019
11/30

〜インフルエンザと麻黄湯と私 その1〜
さて、急に寒くなりましたね。今年はかなり早い時期からインフルエンザが流行していますが、皆様は無事に過ごせているでしょうか?

私は昨年の今頃、実は大ピンチを迎えていました。
そう、家人がインフルエンザに罹ってしまったのです(:_;)

 それは、ある休日の朝、家人が『喉が痛い……』と嗄れた声で訴えてきたのが、事の始まりでした。

それはもう、ガマガエルをのみこんだようなすごい声でしたが、温かいコーヒーを飲んだりしたら落ち着いてきたようだったので、午前中は普通に買い物に行っちゃったり。
ところが午後からダルさを訴え始め、少し眠ったらよくなるかもと言いながら、お昼寝タイムに突入。


〜そして3時間後〜

家人の体温39度台に急上昇orz。 が!愚かにもこのときはまだインフルエンザを疑ってはいなかったのです……。

なぜなら、家人はインフルエンザの予防接種を受けていましたから(←ここ、ポイントです!)。

また、自律神経が少し整っていない家人は、原因不明の高熱をいきなり出して(知恵熱みたいなものです(^_^;))翌日にはケロッと下がっているなんてことが、2,3年に一度ありました。

 そんなわけで、今回もそれだろうとあまり深刻に捉えず、その日は普通に消化のよいおじやを食べさせて、早めに寝かせました。
……が、その翌朝。熱がまるで下がっていない…。あれ?

家人は仕事を休んで、近所の診療所へ。私は仕事に出ましたが、1時間ほどして家人からメールが。 「ごめん。インフルエンザ陽性でちゃった」 

……ぎゃーー!!! 

まって、ねえちょっとまって!私、昨日ふつーに同じ部屋で寝起きしてたし、同じ洗面タオル使ったし、大きなお皿からお箸で一緒のおかずつついていたよ!
……いや、ちょっとまて。私インフルエンザ予防接種受けてるし、別に感染らないんじゃ(はかない希望)?
や、家人はわたしより早く職場で予防接種受けてたし!にもかかわらず感染したし(絶望)!!!!! 

……プチパニックに陥ったあと冷静になった私は、これからのことを考え始めました。

えーっと、インフルエンザ感染者は熱が出ると周囲にウイルスを大量に撒き散らすようになる

→熱が出た家人と一緒にいたので、私もウイルスをもらった可能性が高い

→インフルエンザの潜伏期はだいたい1〜3日間位。となると、私も明日か明後日くらいに発熱するかも

→そうすると、どれくらいお店を休まねばならないか?ひとり営業としてはそれが大問題。 

ネットで検索したところ、以下の記述が。

学校保健安全法施行規則の改正に より、インフルエンザの出席停止期間の 基準が「解熱後2日を経過するまで」か ら「発症した後5日を経過し、かつ、解 熱した後2日(幼児にあっては3日)を経 過するまで」と変わりました。

発症した日からかぞえると、6日間の 出席停止が必要ということになります。
「インフルエンザ出席停止期間の基準」早見表
www.sakai-j.ed.jp › school › infulkikan 

ううーむ、大人なので6日は必要でないにしても、やはり発症後5日は休まねばいかんかーorz。
ひとりで自営業やっている身としては大打撃です。でも、鍼灸屋という職業柄、自分が感染源になってしまう事態だけはなんとしても避けたい。 

まずは涙を飲んで、いつ発症してもいいように、むこう一週間分のネット予約受付を塞ぎました。すでに予約が入っているお客様の名前は手帳に控え、急に発熱した場合、どこからでもすぐに連絡できる体制を整えました。
 そして自分の体調をチェック。いまのところ熱は平熱、脈もきれいで、特に咳なども出ていません。 しかし、うっすら喉が痛い感じはあります。そしてなによりも気になるのが、今朝から急に肩甲骨の間に出てきた肩こり……!
 悪寒と重だるさを伴っていて、しばらくすると節々の痛みに広がっていきそうな感じのある嫌な肩こりです。

 うむ、これは超やばい。

 体内でインフルエンザウイルスが着々と増殖していそうな予感……! くう……!このまま発症するのを指をくわえて待つしかないのか……!
 いや、何か手はある。そのときふと思い出したのが、以前に交わした病院の受付をやっていらっしゃるお客様との雑談でした。

 「風邪ひいた時には葛根湯(かっこんとう)がいいってよく言われてるけど、病院の薬剤師さんが『麻黄湯(まおうとう)』ってのもいいよ、って勧めてくれたー。なんでもインフルエンザにも効くんだって!」

  その時はへー、そんな漢方薬があるんですかーと流していましたが、『麻黄湯』、試してみるのは今じゃないの? 最近ハマっている漢方の先生の本『丁先生、漢方って、おもしろいです。』(著者 丁宗鐵、南伸坊 朝日文庫)には、こんな記述があります。(以下30〜31pより引用)
 

『ここで一番大事なことは、発熱反応というのはウイルスの感染に対して、人体が戦うために出しているってことです。ウイルスがだしているわけじゃない。(中略)
    ここ十年くらいの間に、風邪の熱は治めちゃいけないってことになってきましたね。(中略)最近インフルエンザに漢方の麻黄湯を使ってみると早く解熱するというのが話題になっていました。
 麻黄湯を服用すると一時的に熱があがるけれども、早く解熱して、罹病期間は明らかに短くなります。(中略)つまり免疫学の成果ですよね、免疫のしくみがくわしくわかってきたので…』

 つまり簡単にいうと、『麻黄湯』はインフルエンザウイルスそのものをやっつけるというより、ウイルスをやっつける免疫細胞を活発化させることで、体がインフルエンザウイルスをはやめに退治するお手伝いをする薬…と解釈してよさそう。


 この本では、発症してから麻黄湯を使用する記述になっています。
 が、これもしかして、潜伏期に使えば、体の中の免疫細胞がウイルスの増殖そのものを抑えつけてくれて、発症しなくて済むんじゃない?
 これはチャンス。嫌な肩こりはどんどん範囲を広げてきているし、一刻も早く自分の体で実験するしかあるまい。

さっそく近所のドラッグストアで市販の麻黄湯 10包入を購入(第2類医薬品なので、わりとどこのストアでも簡単に買えます)。その日の夕方から服用を始めました。

さて、結果やいかに?!
続きは近日中にアップします。乞うご期待。

アップしました↓続きはこちら

川口 西川口 蕨鍼灸指圧マッサージ アロママッサージ

はり灸指圧治療 ぬくまる屋 店主あいざわゆきこ

※このコラムは2019年1月にしんきゅうコンパスに掲載したものに加筆修正しました。


【注意!】※漢方薬も「薬」です。購入するまえに薬局の薬剤師さんか、登録販売者さんにご相談の上、自己責任でご使用ください。普段常用しているお薬がある場合は必ずご相談ください。
特に『麻黄湯』の場合、向精神薬や、喘息の発作を抑える薬などを使用されている方は、成分が重複する可能性があります。飲む前に必ずかかりつけのお医者様にご相談くださいね。

【健康コラム】イボとお灸と私 実践編(『イボと私』シリーズ第4回) 2019
11/12

〜前回までのあらすじ〜

 私のゆびにできたウイルス性のでっかいイボを取り除くべく、果敢に戦おうとする私。

 しかし元来がヘタレなため、液体窒素は怖くてだめ!

 炭酸ガスレーザーは、『一週間に一度以上の治療は保険が効かない』という巨大な経済障壁が立ちはだかった!

 そこで思い出したのが、鍼灸師の間に古来から伝わる『焦灼灸(しょうしゃくきゅう)』!イボの上にごそっともぐさを乗せて燃やしきり、イボを組織ごと灼ききる方法。さて、お灸はイボに勝てるのか!?

詳しくは前回までのコラムを参照ください

 というわけで、憎きイボを灼ききるべく、毎晩寝る前に焦灼灸を実践してみることになりました。

用意するものは

1.灰皿

2.もぐさ

3.お線香

4.メンタムリップ、またはハンドクリーム

5.ライター

6.自分で自分の指を灼く勇気

以上6点。特に6は重要。

 方法は簡単。

→まずはもぐさを固定しやすいように、イボの上にリップクリームかハンドクリームをうっすら塗る(個人的にはスティックのリップクリームのほうが、ほどよくピンポイントに塗れるので便利だと思います)

→もぐさをイボと同じくらいの大きさに丸めて、イボの上に乗せる。

→ライターで点火したお線香の先をそっと近づけて、もぐさに点火する。

→もぐさが燃えきるのを待つ。

→燃えきったもぐさの灰を灰皿に捨てる。

これだけ。

 とりあえず、いつものクセでお米粒の半分ほどの量のもぐさを丸めてイボに乗せ、おそるおそる燃やしてみる………。何もかんじない。

 あれ?……あ、そうか。イボが厚いので、小さなもぐさを燃やしたくらいじゃ下まで熱が通らないんだ。表面もうっすらキツネ色の点がついただけ。これじゃあダメだ。

 次はもぐさをさっきよりかなり大きい麦粒大に丸める。燃やす……だめだ、やっぱりなにも感じない。

 しかし、これ以上大きくもぐさをまとめるとイボからはみ出してしまうので、麦粒大のもぐさをひたすら乗せて燃やしつづけることに。

 5,6回も焼き続けた頃でしょうか、イボの表面もキツネ色から黒いおコゲ色に変わってきました。と、同時にぎゅううっとつねられるような熱さキターーー!!!おもわず指が動きそうになるけど、ゆびの付け根を反対の手でしっかり抑えて耐える!がんばる!

 2,3秒もがんばっていると、すぐにもぐさは燃え尽きて、熱さがすうっと落ち着きました。灰を払ってみると、下のイボは真っ黒こげ。おお、これはいけるかも!

 とりあえずはそこからもう一度だけ、ぎゅううっとあっつーいお灸をやって、その日はこれでおしまい。

 手を洗うと、真っ黒焦げなイボの色が少しうすくなりましたが、全体的にこんな感じ。おお、ちょっとグロい。↓

 翌日も同じようにしてみましたが、こんどは2,3回ほど灼いたくらいで、ぎゅうっとなる熱さを感じてきました。お、これはイボが少しだけ薄くなってきてる?

 しかし、イボの表面はあいかわらずぷっくりしていて、ごわごわ。お灸で灼くことで水分が抜けてきたのか、炒った黒豆のようなカチカチな硬さになってきました。

 毎晩のお灸を10日ほども続けた頃でしょうか。イボの下にある皮膚がうずうず痒く感じてきました。うずうずして、おもわずイボの上から軽く爪で抑えます。最初は点で感じていた痒みが、どんどん広がっていきます。

う、痒い……かきむしりたい。でも、かちかちのコゲたイボが邪魔でかけない。……あー!もうだめ!思わずイボを爪で掻いたら、イボがぼろんと取れて、下からピンク色のつやつやした赤ちゃん皮膚が……!!

やった……やったあ!取れた!取れたよエイドリアーン!!(←ここでロッキーのテーマが高らかに鳴ってます)

 見てください!このきれいに取れた痕のキレイな皮膚を!勝った!お灸がイボに勝った!これにて一件落着!

…………といきたいところなのですが、残念ながらこれでおわりではなかったのです……。

 そう、お気づきのかたもいらっしゃると思いますが、イボが剥がれた痕に残っている、白い皮のようなもの。これ、皮ではなくて、イボの灼け残りだったんです……。

 やっぱりどうしても灼きムラがでてきてしまいます。2,3日はキレイだったのですが、炊事をするたびに灼け残りのイボが白くふやけて、またもやゆっくり育ちはじめました……。

 仕方がない、また灼くかー。うっすら生えて来た小さいイボに小さくもぐさを乗せて、火をつけます。ところがですね、これが……あぢっ!あぢあぢあぢーーいい!!思わず途中で火を消してしまいました。

あれ?だめだ。耐えられない熱さ。

 そう、いままでは大きなイボが壁になってくれていたので、燃やしきっても熱さに耐えられていたんですね。

 ところが、こんどはイボが薄くて小さい、しかも下は、生まれたてほやほやの敏感なあかちゃん皮膚。ヘタレな私が自ら灼ける熱さではありませんでした……(T_T)。

 また灼ける程の厚さにイボが育つまで、手をこまねいて見ていることしかできないのか……10日ほどで、イボはまた立派に育ち、また黙々と灼き、ボロリと落ちてはまた育ち……の繰り返し。あれ?また賽の河原で石を積み上げていく感じになってきた……(´;ω;`)

 やっぱりだめなんでしょうか?やっぱり液体窒素に頼るしかないんでしょうか?Google先生、答えてください……!

 求めよ、さらば与えられん

 そんな声が聞こえたかどうかは知りませんが、イボの痛くない治療法を必死に追い求め、検索を繰り返す私に、Google先生は思いもよらない方法を示してくれたのでした……!

 次回、いよいよ『イボと私』シリーズ最終回!イボとのあくなき戦いに終わりが見える日が遂にやってくるのか……!次回いよいよ最終決戦。乞うご期待!

※この記事は2017年8月に、口コミサイト『しんきゅうコンパス』に載せたものに、加筆修正したものです。

西川口 蕨 鍼灸マッサージ

はり灸指圧治療 ぬくまる屋 店主 あいざわゆきこ

<【注意!】このコラムで紹介している、イボに対する一連の治療法とその結果は、あくまでも私自身が体験したものであって、全員に当てはまるものではありません。また、最初は必ず皮膚科のお医者さんに診てもらって、悪いものではないことを確認してもらってください。素人判断は、時に危険な結果をもたらします〉

【健康コラム】イボとお灸と私 解説編(『イボと私』シリーズ第3回) 2019
10/31

『イボと私』第3回 『イボとお灸と私(解説編)』

〜これまでのあらすじ〜

 指に出来たでっかいイボを取り除くため、皮膚科で炭酸ガスレーザーをあてて灼いてもらう私。

 が、灼けてイボが小さくなったと思ったら、すぐに育って元に戻る……の繰り返し。業を煮やした私は、イボが元に戻る前に連続でレーザーで灼く事を希望する。

 しかし、1週間に1度以上の治療には保険が適用されない……という大きな壁が立ちふさがった。さあ、どうする私?

詳しくはこちら↓

『イボとマッサージと私』

『イボとレーザーと私』

 ……というわけで、同じ灼くなら、焦灼灸(しょうしゃくきゅう)で灼くのも、レーザーで灼くのも、同じではないかと思い至ったワタクシ。

 思い立ったら吉日。その晩から、毎晩麦粒くらいの大きさにまるめたもぐさをイボの上にこんもり乗せて、じゅうじゅう灼いてみることにしたのでございます。

さて、ここで解説。

 巷間で、女性疾患や冷えにいいと話題になっているお灸ですが、そもそもお灸ってどんなもの?というご質問をお客様から頂いたので、ざっと説明してみますね。

↑瓶の中に入っているのがせんねん灸、缶に入っているのがもぐさ。せんねん灸はライターを、もぐさはお線香を使って点火します。

 お灸とは、もぐさ(よもぎの葉の裏に生えている、白い細かい毛を集めて乾燥させたもの)を軽く指で丸めて皮膚におき、火を点けて燃やし、その熱で身体のツボを刺激し、体調を整えていく民間療法のひとつ。

 三千年ほどの前の中国北部で発祥し、それを学んだ遣隋使や遣唐使が仏教と共に灸法を広めたのが、日本でのお灸のルーツとされています(昔のお寺は布教以外にも、地域の孤児院や学校、お医者さんの役割も果たしていました)。

 お灸には、目的に応じて、いくつかのやり方があります。

 まず一番の大きな違いは、火傷痕を残すか、残さないか、です。

①もぐさの燃焼している部分を、直接皮膚にあてないようにする(火傷痕をのこさない)

➁もぐさの燃焼している部分を直接皮膚にあてて、軽く皮膚を焦がすようにする(火傷痕をのこす)

 最近の鍼灸院では、美容的、衛生的観点から、①の無痕灸が主流です(温灸ともいいます)。一口に無痕灸といっても、いくつかのやりかたがあります。

a.知熱灸

 お米粒の半分くらいの大きさにまるめたもぐさを、狙ったツボの上に置き、半分から3分の2位燃えたところで、もぐさを指でつまんで消火してしまう方法。

 患者さんには、熱のちくっとした刺激は伝わりますが、直接火が皮膚まで届くわけではないので、火傷は起こしません。

 当店(はり灸指圧治療ぬくまる屋)では、逆子の灸やものもらいの灸など、指先のツボをピンポイントで狙いたい時に、この方法を使っています。

b.棒灸

 たばこのように紙で巻いて細長い棒状にしたもぐさの先に点火し、燃焼部分を患部に近づけて、放射熱で温める方法。

 じっとしていられないお子さんに使ったり、髪の毛周辺など、お灸を直接乗せて火を点けるのが難しい部位を温めるのに使います。

 私もこどもの頃、喘息発作を起こした時に、この棒灸で背中を温めてもらっていました。

c.隔物灸

 もぐさと皮膚の間に、生姜やにんにくをスライスしたもの、または塩や味噌などを挟むことで、もぐさを燃やしきっても皮膚に火が直接あたらないようにする方法。

 熱とともに、間に挟んだ生姜などの成分がじんわり浸透して、身体にいいとはいわれますが、そこは私はよくわかりません。ただ、ほどよく暖かくて気持ちの良いお灸であることは確かです(あと鍼灸院全体が、なんだか食欲をそそる匂いでいっぱいになる^_^;)。

 薬局で市販されている「せんねん灸」も、この隔物灸の一種。ちいさな筒状にくるまれたもぐさの下に、厚い不燃性の台座を挟むことで、火が直接皮膚に当たらないようにしてあります。

 当店で使っているのも、基本はせんねん灸です(台座の裏にシールがついていて、しっかり皮膚に固定されるので、お灸をしながら他の部位のマッサージをすることが可能になります)。

 その他、バリエーションとして電気温灸や、びわの葉灸、イトオテルミーなどがありますが、これらも温灸の一種であることには変わりありません。

そして、➁のお灸を有痕灸といいます。つまり小さなやけどをわざと皮膚の上に作ることで、身体全体の免疫力をあげる方法です。

A透熱灸

 お米の半分くらいの大きさに小さくまるめたもぐさを、ツボの上にのせて、焼き切ります。皮膚の上には2,3日で治る小さな火傷ができます。火傷は皮膚の表面を焦がす程度の浅いものなので、痕はほとんどのこらないし、強めの刺激が好きな方に向いています。

B打膿灸

 昔銭湯に行くと、脚の側面や背中に規則的に黒い点々がある、おじいちゃんやおばあちゃんをみかけませんでしたか?あれが打膿灸の痕です。

 打膿灸とは、わざと強めに皮膚を灼くことで、深めの火傷をつくり、膏薬などを使って痕を化膿させることで免疫力を高めようとする方法です。昔は膿をつくるくらい火傷させないと、身体の免疫力が高まらないと考えられていたので、この方法が普及していました。

 しかし戦後の研究で、わざわざ火傷をつくらなくても、熱で「あちっ」と思わせるだけで、身体が火傷したと勘違いして、ないはずの火傷を治すべく免疫機能が活発に働きだすということがわかってきたので、現在は美容的な観点と細菌感染のコントロールの難しさから、ほとんど行われることはありません。

C焦灼灸

イボやウオノメに、大きめに丸めたもぐさを直接乗せて灼ききることを繰り返し、組織を焦がして破壊する方法。

 

……というわけで、私の指のイボに使ったのは、最後に解説した焦灼灸です。

 鍼灸師になってからこのかた、知熱灸、透熱灸はさんざんやってきたものの、こんなに強い灸法を実際に使用するのは初めて。どきどきしながら実践に臨んでみたのであります……。

 次回『イボとお灸と私(実践編)』。さて、お灸は私のイボを灼き尽くすことができるのでしょうか?

※この記事は2017年8月に、口コミサイト『しんきゅうコンパス』に載せたものに、加筆修正したものです。

西川口 蕨 鍼灸マッサージ

はり灸指圧治療 ぬくまる屋 店主 あいざわゆきこ

〈【注意!】このコラムで紹介している、イボに対する一連の治療法とその結果は、あくまでも私自身が体験したものであって、全員に当てはまるものではありません。また、最初は必ず皮膚科のお医者さんに診てもらって、悪いものではないことを確認してもらってください。素人判断は、時に危険な結果をもたらします〉

【健康コラム】イボとマッサージと私(『イボと私』シリーズ第1回) 2019
10/20

短期集中連載『イボと私』シリーズ第1回

『イボとマッサージと私』

↑これが私の指に出来たイボです。

 皆様はイボができたことがあるでしょうか。私はあります。経験された方はわかると思いますが、あれ、超しつこいんですよねえ。数年前、しかも商売道具である手の指にできてしまいました。今でこそ綺麗に治ってつるっつるになっていますが、あまりにしつこいイボに悩まされ、当時は一生治らないんじゃないかと絶望していました。これは、そんなイボと私が戦った全記録です(ちょっと大げさ^_^;)。

 なので長いです。全5回。なに引っ張ってるんだとお思いになるかもしれませんが、お悩みの方はどうぞお付き合いくださいませ。

 最初のイボは、右小指の爪のよこにできた小さなささくれがきっかけでした。爪に沿って縦に皮が剥けてしまい、痛いなあ……と思っていたら、傷口が塞がるにつれ、そこを覆うように半透明の魚の目のような皮膚がもりもりと盛り上がってくる。触るとかちかちです。

 乾燥肌な私は割と頻繁にささくれを作っていたので、当初は、あんまり剥けすぎて角質化しちゃったのかな、みっともないなあ……位にしか思っていませんでした。お風呂に入るとその部分はふやけて真っ白に。柔らかくなったところを爪でほじると、その白くなった角質のようなものがめりめりと剥がれて、下にはピンク色の新しい皮膚ができている。しばらくするとまた固い半透明の角質のようなものが盛り上がってきて、元通りになってしまう……の繰り返しでした。

 そのうちに、右小指の背にも大きな角質の玉が2つできてしまい、その時に初めて「これはイボではないか?」と気がついたのです。

 さて、この皮膚がカッチカチに固くなったようなイボの正式名称は『尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)』といいます。

 みっともないだけで、特に悪さをするものではないのですが、問題はこれがウイルス性であるということ。HPV(ヒトパピローマウイルス)によるものなので……つまり感染します。

 だから、最初にできたイボに沿う形で第2、第3のイボが出来てしまったのですね。

 そこまで感染力の強いものではないのですが、傷口が出来ているところに直接触れたり、疲れて免疫力が下がっていたりすると、ウイルス性イボは爆発的に増えていきます。

 当時はたまたま、直に肌には触れずタオルの上からマッサージする仕事についていて、鍼の仕事をおやすみしていました。

 なので、幸いなことにお客様に感染する心配はまずなかったのですが、ただでさえ乾燥肌なのに、マッサージする度にタオルに皮脂がとられてしまい、手は常にがっさがさ。そのせいで細かい傷が常に手にある状態になっていたので、イボが広がってしまったのです……。

 それでもまあ、右小指の背だし、鍼の時も直接触れるとこじゃないし、まあいっかーぐらいにゆるく構えていましたが、今度はシャレにならないところに出来てしまいました。

 なんと左人差し指の腹側……!鍼をする時に、ツボを探す為の重要な指!

この先、また鍼灸がメインの仕事になってしまったら、さすがに洒落になりません。

やっぱりこのままじゃまずいよね?

 いろいろ調べてみると、皮膚科に行って、液体窒素でイボを焼いてもらうといいとのこと。

 液体窒素……あのマイナス196度の白いもわもわ煙がでている液体の中に突っ込んだ綿棒を患部にジュっと押し当てる、アレだよね。

 ……ううーむ、別件で一度やってみたことあるけど、あれって痕がしばらくは相当……痛い!しかも今回は指先。ただでさえヘタレの私が耐えられるのか?つーか、指が使い物にならなくなって、しばらく仕事休まないといけなくなるんじゃないか?

 しかし、背に腹はかえられぬ…!

 ビクビクしながら近所の皮膚科に向かうと、優しそうな先生が私のイボを診て、尋常性疣贅と診断。そして、ネコに睨まれたカエルのごとく青くなって、恐怖でびびりまくっている私の様子をみて、痛ーい液体窒素ではなく、炭酸レーザーで焼き切ることを提案してくださったのです。ありがとうございます!

 さて、ワタクシの指に生えたイボは、無事に炭酸レーザーによって退治されるのでしょうか?

次回『イボとレーザーと私』!

心して待て!(←いや、だからそんな大げさなもんじゃ……^_^;)

※このコラムは2017年7月に『しんきゅうコンパス』に掲載したものに加筆修正したものです。

第2回公開しました。

西川口 蕨 鍼灸 指圧 マッサージ

はり灸指圧治療ぬくまる屋 店主 あいざわゆきこ

〈【注意!】このコラムでこれから紹介する、イボに対する一連の治療法とその結果は、あくまでも私自身が体験したものであって、全員に当てはまるものではありません。また、最初は必ず皮膚科のお医者さんに診てもらって、悪いものではないことを確認してもらってください。素人判断は、時に危険な結果をもたらします〉