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【健康コラム】お肉と子宮筋腫と鉄分(後編) 2019
08/10

お肉と子宮筋腫と鉄分(後編)

お待たせしました。前回のコラムの続きです。

前回のコラムはこちら↓

https://nukumaruya.com/shop-blog/2019/08/02/【健康コラム】お肉と子宮筋腫と鉄分(前編)/

 前回の内容をさらっとまとめると、子宮筋腫の人は、一般的にお肉や乳製品など、動物性の食品を避けた方がいいと言われる……というお話でした。

 私も今のところ、子宮筋腫の方に日常生活でのアドバイスを求められたら、そのように答えてはいます。

 ところが、最近非常に真面目というか、ストイックな方が増えておりまして、こういうアドバイスをすると、100%きっちり守ってしまわれる方が割といらっしゃるんですね。

 つまり、一気にベジタリアンになってしまったりします。

 閉経後の女性や、退職して特に運動もしていない男性が、自然と肉類を身体が受け付けなくなって、ベジタリアンになっていく……というのは、割とおみかけします。そういう人達は、肉類や乳製品の栄養を最早あまり必要としなくなっているから受け付けなくなっているわけで、そういうベジタリアンなら、あまり問題はないし、いいのです。

 けどですね、閉経前の女性や、働き盛りの男性がベジタリアンになるのは、正直かなり危険なのではないかと思うのです。

 実はですね、ワタクシ過去にひとり暮らしをしていた時に、一時期ベジタリアン生活を送っていたことがありまして。いや、ダイエットとか、何か主義主張があってとか、そんなんじゃなくって、単に肉を買うお金がなかっただけなんですけど^^;。

 なので、大抵は大根とニンジンを煮物にしたり。

 キャベツ半玉を塩胡椒で炒めたり。

 ほうれん草や小松菜をおひたしにしたり。

 おからをお野菜の残りと一緒に甘辛く炒ったり。

 こんなおかずを、ごはんと一緒にかきこんでいました。

 たまーに脂っこいものが食べたくなったら、一枚50円のコロッケを。うーん、見事に肉なし!。

 まあ、特に生活に差し障りもなかった(と自分では思ってた)し、野菜生活ヘルシー♪くらいに構えていたのですが、傍からみたら、相当ひょろひょろゆらゆらしていたらしくorz。元来痩せ型の体格だったこともあり、心配した知り合いが、ワタクシを某牛角食べ放題に連れ出してくれました。

 もともと主義主張があって断肉してたわけではないし、食べ放題とあらば……というわけで、牛カルビやらロースやら豚とろやら厚切りベーコンやらを、たぶん2、3人前くらいガツガツ食べたと記憶してます。

 で、その日は食べたー!!という満足感と共に眠りについたのですが、翌朝の変化が劇的ですっごい驚きました。

なにがすごいって、朝すっきりさわやかに起きられる!しかも、身体が軽い!世界が明るい!つーかこの時点で、初めて気が付きました。

私、慢性的な貧血になってたんだ……!

 さて、ここで皆様お気づきかと思われますが、お肉(特に牛肉やブタ、鳥レバーなど)は、赤血球を形作る鉄分を豊富に含んだ食べ物なのですね。貧血予防には欠かせない食べ物なのです。

 よく菜食を勧めるサイトなどでは、小松菜やほうれん草でも鉄分は充分摂れるから肉は必要ない、という主張も目にします……が!

お肉の鉄分はヘム鉄、お野菜の鉄分は非ヘム鉄。同じ鉄分でも種類がちがうのです。

そして、ヘム鉄の体内への吸収率は、非ヘム鉄の約5倍!

画像は

http://www.ils.co.jp/seihin/hem.html

より拝借しました。

 実際、私は鉄分が高いと言われる大豆系の食品(豆腐、おからなど)や、ほうれん草、小松菜、ひじきをこまめに食べていても、しっかり貧血になっていました。

 鉄分が欠乏しても、ごはんや野菜はしっかり食べていたので、身体はそれらのエネルギーだけでも、動くことは充分にできます。それ故に、体調の変化の過程もゆっくり。なので、体調がかなり悪くなっていても、気がつきにくかったのです。

 つねにだるい、眠い、朝起きられない、なんだか視界が暗い、ふとした拍子に床がせり上がってくる感覚がある(めまいの症状のひとつです)……。今思うと、これらの貧血症状が日常的に起きていたわけですが、貧血にありがちな「倒れる」とか、「気持ち悪い」とか、そういった明確な症状は全くなかったため、これが普通の身体の状態だと思って、まったく気づきませんでした。

 そして、子宮筋腫を持っている人は、月経時の出血量がとんでもなく多くなっています。ただでさえ、貧血になりやすい状態なのです。それなのにお肉を全く食べない……なんてことをしてしまったら……!もう、想像はつきますよね?

 もちろん、こういう場合は病院から処方された鉄剤をちゃんと飲んでいれば、貧血状態はすぐに改善されてきます。じゃあ、お肉を食べなくてもいいじゃん?って思うかもしれません。

 でも、お肉は鉄分以外にも、脳の神経伝達物質を作るのに欠かせない必須アミノ酸や、疲労をとるビタミン類などを豊富に含んでいます。それらを摂らないことで、鬱になりやすくなったりすることは確かにあると思うのです。 

 もし、毎日肉をがばがば食べていた……というなら、確かにある程度は減らす必要はあります。焼肉通いを週1から月1にするとか、毎食肉をたべていたなら、一日に一回にするとか、肉の量を半分にするとか。

 でも、まったくカットしてしまうのも、身体にはよくないと思うのです。ある程度は必要。

 だからと言って、お肉だけ食べても栄養は吸収されづらいです。たとえば、お肉の鉄分はビタミンCと一緒に摂ることで、かなり吸収がよくなるそう。生のピーマンや、レッドキャベツのサラダを一緒に食べるといいとか。

 とどのつまり、肉もお魚も野菜も果物も「バランスよく」食べてよ……ってことなんですよ。

 その「バランスよく」というのが、個々の体質の違いによってもかなり差がでるし、好き嫌いやアレルギーの問題もあるので、難しいところではあるのですが。

 そして、お肉を食べることで、もし筋腫が大きく育ってしまったら……と不安に思う気持ちも、もちろんわかります。だから、お友達や、お子さんや、旦那さんが食べる量よりは少なめにしましょう。

 それでも、筋腫が育ちやすい体質、育ちにくい体質というのは確かにあります。人によっては肉を減らしたのに、筋腫が育ってしまった……!ということもあります。でもですね、そういう方は肉をカットした状態でも筋腫が育ってしまうことも多いのですよ。貧血と筋腫のダブルパンチ。辛いです……。食生活は確かに重要。でも食生活が全ての原因なわけでもないのです。

 鍼灸では、そういった体質を少しでも変えるお手伝いをさせていただきます。長期戦になってしまうと思いますが、その都度鍼灸師と相談して、無理なく通える範囲を設定してもらってください。状況が許せば、おうちでの施灸方法なども指示してもらえると思います。

 ひとりで病気と戦わず、鍼灸師と一緒に戦ってみませんか?

 出来ること、出来ないことはありますが、ぜひ一度ご相談してみてください。

※このコラムは、2017年6月掲載しんきゅうコンパスコラムの再掲です。

西川口 蕨 鍼灸指圧マッサージ

はり灸指圧治療 ぬくまる屋 店主 あいざわゆきこ

【健康コラム】お肉と子宮筋腫と鉄分(前編) 2019
08/2

 梅雨もようやく明け、暑い日が続きます。こんな日はぷはーっとビールを豪快にいきたいところですねえ。ビアガーデンでジンギスカンとかもいいなあ(ウチの隣駅にある川口そごうの屋上では、ジンギスカンメインのビアガーデンが開催中♪)。

 さて、そんな心浮き立つ季節ですが、つい最近、子宮筋腫持ちの方から「日常生活では、どんな点に気をつければいいですか?」と、相談を受けまして。

 こういった場合、私はまず食事についてのアドバイスから入ることが多いのですが、最近難しいなと思うケースも増えてきたので、ちょっと書いてみます。

 まだ、明確な答えが自分の中にあるわけではないので、ちょっと迷走した文になりますが、ご容赦を。子宮筋腫でお悩みの方も、私と一緒に考えてみてくださると嬉しいです。

 子宮筋腫とは、子宮の中にできる良性の腫瘍。とくに身体に悪さをするものではなく、明確な自覚症状もないことが多いので、最近お腹周りが太ったなあなんて思っていたら、筋腫が赤ちゃんの頭くらいに育ってたーなんて人も多いです。

 でもそこまで育つと、月経の出血量も半端なく多くなって、貧血は起きるし、なによりも月経痛が酷くなる。

うちの母も筋腫持ちでしたが、筋腫が大きくなってきた時の月経中には、寝込んでばかりだったように記憶しています。

で、思い切って手術で、筋腫と一緒に子宮をとってしまったら、ケロっと元気になってました。

 が、やはりそこまでは行きたくありませんよね。筋腫が小さいうちであれば、なんとか筋腫をそれ以上大きくせずにやりすごしたい、という気持ちが一般的には大きいと思います。

 では、どうすれば筋腫を大きくせずに済むか?それにはまず、筋腫が出来る原因を考えなければいけません。

 西洋医学分野では、子宮筋腫が出来る原因は基本的にはいまだに不明とのこと。ただ最近子宮筋腫を持つ人が増えてきたのは、女性の一生の間の妊娠期間が短くなった(またはなくなった)ことに伴って、女性ホルモン(エストロゲン)に曝される期間が長くなってきたからではないか?とは、いわれています。

 確かに閉経後、筋腫が小さくなった、なくなったという人は多いです。

 婦人科でも、筋腫が大きくなってくると、手術の前にまず女性ホルモンをストップさせる薬を処方して、様子をみる……というケースも多いと思います。

 東洋医学的には、一般的に身体全体の血の流れが滞りやすい体質の人が子宮筋腫になりやすい、といわれています。

 つまり悪い血がうまく循環せずに子宮に滞って、筋腫になるってイメージですね(あくまでもイメージですよ、イメージ^^;。実際に筋腫は血の塊ではないので、誤解せぬよう。正体は平滑筋の塊です)。

 というわけで、鍼灸治療では下腹部内の血液循環をよくしていくという目的に沿って、治療の流れを組み立てて行きます。

 では、筋腫の原因がなんとなーくイメージできたところで、本題に戻ります。

子宮筋腫持ちで病院や鍼灸院などにかかったことのある方は、以下のようなアドバイスを受けたこともある人が多いのではないかと(私も今まではこうアドバイスしてきました)。

「肉や乳製品など、動物性脂肪のものは避けて」(写真はリブロース、どーん)

 このアドバイス、たしかに西洋、東洋医学、両面からみて理にかなっている……とは思うのですよ。

 筋腫が大きくなるメカニズムには、エストロゲンが大きく関わっていると言われてます。

 そしてエストロゲンを作る主要な栄養素はコレステロールです。皆様ご存知の通り、コレステロールは卵やレバーなどに多く含まれてます。

 また、筋腫が筋肉の塊であることを考えると、筋肉を育てる動物性たんぱく質を多く含む食品、たとえば牛乳やチーズ、肉の赤身などは避けた方がいいのかな、とも思います。東洋医学的にもこれらの食品を大量に摂取すると、血が滞りやすいとも言われていますし。

 でもですね、近年は真面目というか、ストイックな方が増えて来たのか、うかつにこういうアドバイスをしてしまうと危ない、と感じる側面も増えて来たのですよ。

なんか長くなってきてしまったので、どこがどう危ないと感じたかは、次のコラムに続きます

※このコラムは2017年6月にしんきゅうコンパスに掲載したものに加筆修正したものです。

後編はこちら↓

https://nukumaruya.com/shop-blog/2019/08/10/%e3%81%8a%e8%82%89%e3%81%a8%e5%ad%90%e5%ae%ae%e7%ad%8b%e8%85%ab%e3%81%a8%e9%89%84%e5%88%86%ef%bc%88%e5%be%8c%e7%b7%a8%ef%bc%89/

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はり灸指圧治療ぬくまる屋 店主 あいざわゆきこ